第17回企画展
「TRAin ART~アートする世界の鉄道展~」
| 開催期間 | 2025年10月4日(土)~2026年1月12日(月・祝) |
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| 開催場所 | 本館2F 企画展示室 |
はじめに
1825年、世界初の公共鉄道がイギリスで開業しました。その後の200年間で、鉄道は産業・経済のみならず人々の生活にあわせて変化し、大きな影響を与え続けてきました。本展ではその鉄道の歴史を、絵画や車両・切符・広告などのデザインに着目し、アート(文化・芸術面)の視点を交えて紹介しました。なかでも、蒸気機関車の機関士であった太田忠が描いた大型の油絵作品や走る美術館と評されることもある世界を代表する豪華列車「オリエント急行」関連資料など、本展で初公開となる収蔵資料も展示しました。
企画展の内容
1.鉄道の誕生、鉄路がひろがる時代
18世紀後半のイギリスで、綿工業の機械化・大量生産を皮切りに産業革命が起こりました。次々と新しい機械技術が発明されるなかで、蒸気機関が誕生しました。その技術が応用され鉄道が誕生しました。
ここでは3つのトピックに分け、「世界初の鉄道誕生」ではイギリスの鉄道開業時の様子を英国国立鉄道博物館(以下、NRM)所蔵の絵画資料(複製)で、「鉄道のひろがり 世界と日本の鉄道車両」では世界各地で主力となった車両をHOゲージ模型で、「日本の鉄道開業」では当時の様子を「イラストレイテッド・ロンドンニュース」や錦絵、引札で紹介しました。
ストックトン・ダーリントン鉄道開業時の資料(NRM所蔵、複製画像)と、同鉄道で導入され貨物輸送を担った蒸気機関車ロコモーション号の模型を展示しました。
蒸気機関車から近年の高速鉄道用車両まで、海外のさまざまな国の鉄道車両をHOゲージ模型で紹介しました。また代表的な車両は精密なイラストでも紹介しました。
2.鉄道がひろげた生活圏、あたらしい文化・芸術
鉄道が徐々に人々に受け入れられ路線網を拡大する一方で、鉄道会社同士や自動車(道路)との競い合いも繰り広げられていました。また新しく目的地を創り出しそこへつながる鉄道路線をつくるという新たな発想をもつ会社も現れました。
ここでは、鉄道が現在のような運行形態に近づき、最も発展した1900年代の様子を4つのトピックに分け、イギリスの海水浴への誘客ポスター(縮刷複製)や宝塚歌劇の電車内広告(複製)「トラベル・フォト・ニュース」とそれらが発行された1950年代に機関士・画家として活躍した太田忠の油絵作品を紹介しました。
1950年代に駅貼りポスターとして発行が開始された「トラベル・フォト・ニュース」。「世界の鉄道」という連載記事では世界各地の鉄道事情を垣間見ることができます。
国鉄の機関士であった太田忠は画家としても活動しました。同氏の作品は温かみのある色使いが特徴的で、本展では大型の油絵作品「春夏秋」を初展示しました。
3.鉄道で彩るArtと鉄道で彩られる地
鉄道車両のなかには、通勤用の列車とは異なり、列車での移動を楽しめるように外装や内装にこだわった豪華な列車があります。ここでは、現在も観光列車としてヨーロッパで活躍するオリエント急行にスポットを当てて紹介しました。
また、世界には鉄道車両やその技術のみならず文化的な側面も含めて保存・活用する施設が多数あります。当館もそうした施設の一つとして役割を全うするために、国内外の鉄道系博物館と連携しています。ここでは、鉄道誕生の地イギリスにあるNRMとの姉妹提携関連資料のほか、「世界鉄道博物館会議」の参加館をパネルで紹介しました。
1988年に来日した「オリエント急行’88」の乗車記念パンフレットや車体側面のエンブレム(複製)、現在もヨーロッパで運行中のオリエント急行の映像などを展示しました。
「世界鉄道博物館会議」は2013(平成25)年に埼玉県の鉄道博物館で第1回が開催されて以降、ドイツやアメリカなどで開催されています。この会議への参加館のうち、国内外12館の鉄道系博物館を紹介しました。
関連イベントも開催

関連イベント“歌で彩る鉄道旅”(2025年10月4日)

講演会“台湾の鉄道”(2025年12月14日)

