第12回企画展
時代の変化とともに発展を遂げた駅のテクノロジーに注目!
「駅にまつわるテクノロジー展」

開催期間 2023年5月20日(土)~2023年7月2日(日)
開催場所 本館2F 企画展示室

はじめに

2023年は、新しいテクノロジーを使用したホームや改札口を備えた大阪駅うめきたエリアが開業した年で、JR西日本のICカード「ICOCA」登場から20周年を迎え、駅の売店「鉄道弘済会」が「KIOSK(キヨスク)」という愛称をつけて50周年にあたる年でもあります。
このようなことから、本企画展では鉄道が時代にあわせてどのような発展を遂げてきたのか、「駅のテクノロジー」に注目して紹介しました。

企画展の内容

1.キヨスク なつかしの駅売店

1932(昭和7)年に鉄道弘済会という組織が上野駅に6カ所、東京に5カ所、売店を開店させました。立売営業も開始するなどで、その後、徐々に全国に広がっていきました。国鉄の分割民営化とともにキヨスクもJR各社のエリアに経営が分かれ、最近ではコンビニエンスストアとの業務提携も展開されています。会場では、鉄道弘済会売店やキヨスクについて、約35点の写真と駅弁掛け紙や実際の店舗で使用されていたキヨスク什器などで紹介しました。

キヨスクの看板など

駅弁の掛け紙など

2.改札のテクノロジー~昭和~

昭和期は、輸送需要が増大し、鉄道路線の充実や車両の近代化など、鉄道におけるテクノロジーも進化していきました。東京五輪開催の年に東海道新幹線が開業し、1970(昭和45)年開催の大阪万博にあわせて、1967(昭和42)年、京阪神急行電鉄北千里山駅(現阪急電鉄北千里駅)に磁気乗車券用自動改札機が登場しました。
本コーナーでは自動改札機の登場に焦点を当て、実物の自動改札機やポスター資料と共に、世相が分かる模型やヘッドマークなどを紹介しました。

鶴橋駅で使用されていた自動改札機

世相が窺える数々の資料

3.きっぷのテクノロジー~平成~

平成がスタートしたほぼ同時期の1987(昭和62)年に、国鉄の分割民営化でJRグループが発足し、鉄道にとっても大きな転換期となりました。さまざまなジャンルで技術の進歩がみられる中、乗車券が従来の紙のきっぷから徐々に「カード」に形を変え、2003 (平成15)年にJR西日本のアーバンネットワークエリアで利用可能なICカード「ICOCA」が登場しました。
本コーナーでは「ICOCA」など乗車券や券売機に焦点を当て、平成期の鉄道や世相とあわせて紹介しました。

壁面にはJスルーカードとオレンジカードのデザイン、また、イコちゃんのフォトスポットも設置

地域限定など、貴重なICOCAを展示

4.新時代のテクノロジー~令和~

2020(令和2)年に新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、“新しい生活様式”が浸透、鉄道も大きな影響を受けました。その1つが平成中期より広まった、インターネットを用いた双方向サービスです。「AI案内ロボット」、「デジタル館内サイン」の導入により、利用者の利便性が飛躍的に向上しています。
本コーナーでは平成末期から令和期に進展した鉄道のテクノロジーについて、駅機能を中心に紹介しました。

京都鉄道博物館仕様の「AyumI」

デジタル案内サイン

5.企画展開催を記念した図録やグッズ付き入館券を販売

企画展の開催にあわせて、図録が登場。駅を中心とした鉄道技術の革新に注目した企画展の内容について、会場では伝えきれないこともご紹介し、当館のミュージアムショップ限定で販売しました。また、オリジナルグッズ(A4クリアファイル2枚1組)付きの入館券も販売しました。

当館ミュージアムショップ限定販売の図録

オリジナルデザインのA4クリアファイル2枚

関連イベントも開催

日本最大級の鉄道ジオラマで、企画展にあわせたプログラム「駅!駅!!駅!!!―いまとむかしの駅の中―」をお客様にお楽しみいただきました。

2023年6月18日にはオムロン株式会社OBの田中壽雄氏を招き、「世界初 自動改札機はこうして誕生した!」をテーマにお話いただきました。

ミュージアムレポート一覧に戻る